TVアニメ『ミギとダリ』公式サイト

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ミギとダリアニマルレース

ミギとダリアニマルレース
秘鳥くんと丸太がプレイしていた あのゲームがやってきた!
タイムトライアル!ピンクビーバーより先にゴールできるかな!?

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ピンクビーバーより先にゴールして、ランキング上位をめざそう!
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推奨環境

■PC
端末:Microsoft Windows 10~、macOS Ventura 13.5.2~

■ スマートフォン
Android端末:Android version12
iOS端末:iPhone 10以降の端末、iOS16~
<webブラウザ>
Microsoft Edge:116 ~
Google Chrome:116 ~
Safari:16.6 ~
※2023年10月15日現在。

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――『ミギとダリ』のTVアニメ化はどのように始まったのですか?

加藤 :

僕がたまたま寄ったマンガ喫茶で原作に出会ったことが始まりでした。当時刊行されていた第3巻までを読んで、その衝撃的な面白さにすぐに連載元の「ハルタ」編集部にアニメ化の打診をしました。ただ、その時は断られているんです。まだ先の展開が決まっていない中でアニメ化してしまうと、佐野先生が続きを思う存分が書けなくなってしまうかもしれない、と。それは確かにいけないことです。けれど、やっぱりアニメ化したい気持ちは冷めず、第5巻が発売された頃にもう一度状況をうかがったところ、「今なら可能性があるかもしれない」というお返事をいただけて。すぐにGEEKTOYSの鷹木純一さんに声をかけ、まんきゅう監督に声をかけて頂き、一緒に正式な依頼をしに行きました。そうして念願叶ってのアニメ化の許諾をいただき、本格的に制作が動き出しました。

――アニメ化は悲願だったのですね。ほかの皆さんはどのタイミングで作品に参加を?

加藤 :

許諾をいただいた後、最初の打ち合わせで鷹木さんに「いいアニメプロデューサーがいる」とご紹介いただいたのが、山村さんでした。

山村 :

お話をいただいた当時、僕は制作会社CompTownを立ち上げたばかりで、「さて、どうしようか」というタイミングでした。すごく面白い作品で、ぜひやりたいと思ったし、なにより「これは西畑さんの絵に絶対に合う!」と思ったのを、よく覚えています。当時西畑さんとほかの作品でご一緒していたので、すぐに原作を持って話をしに行きました。

西畑 :

「ぴったりだと思うので、ぜひキャラデザに推したいです」と言っていただけて、すごく嬉しかったです。実際私自身も佐野先生の絵に通ずるものを感じましたし、「ぜひ!」とお答えさせていただきました。

山村 :

そして榎本さんは、最初は演出の一人として打診をしていたんです。

榎本 :

いち演出として関わる予定だったのですが、ある時監督を補助するポジションが必要だということで、改めて副監督のオファーをいただいたんです。ただ、最初はちょっと悩んだんですよ。

山村 :

立ち上げたばかりの会社がTVアニメの元請けをやるというのは大変なことで、そこへの不安も大きいはずですし、すぐに受けていただけないのは想定できることでした。なので、こちらの気構えがしっかりとあることや、熱意をお伝えさせていただいて。

榎本 :

山村さんのお話を聞いて、頑張ってみようと思いました。

山村 :

無事、引き受けていただいてありがたかったです。

――原作を読んだ印象はいかがでしたか?

榎本 :

最初はギャグアニメなのかと思ったのですが、読み進めてみると「あれ?」と。ギャグなのかサスペンスなのか、シリアスな人間ドラマなのか……いろいろなものがないまぜになって、なんだかよくわからない。けれどとても面白くて、先が読みたくなる作品だなと。

西畑 :

私もギャグだと思って読み始めたけれど、だんだんシリアスになって、展開が読めなくてわくわくしました。わからないからこそのドキドキ感がまた楽しかったです。

榎本 :

ギャグの塩梅もすごいんですよね。ちゃんとストーリーの軸があって、そこにギャグが散りばめられている。たとえば瑛二を助けに現れたダリの横で、お尻に火がついたミギが飛び跳ねていたり。ものすごくシリアスな展開で、ギャグが入ってくる。ああいうのは、なかなかないですよね。

加藤 :

ギャグって間違えると空気が壊れかねないじゃないですか。普通なら間違いでも、この作品では間違いにならない。むしろ間違っていたとしても、不思議と違和感にならないといいますか。

榎本 :

そうなんですよね。物語を読み進めていくうちに、知らず知らずのうちに読み手が「そういうもの」と受け入れられる体になっていくような。それはアニメに対する視聴者の反応を見ても感じましたし、この作品のすごさを感じました。

加藤 :

魔力のようなものを感じさせますよね。あと、絵の持つ力が凄まじいんですよ。装丁を見るだけで、引き込まれるんです。再度アニメ化の打診をしたきっかけの第5巻は、サリーちゃんとミギが表紙なのですが、色合いも構図もたまらない。ほかにはない唯一無二感がありました。

山村 :

この『ミギとダリ』にしかない雰囲気が、アニメ制作においても非常に大事な部分でしたよね。原作があるものをアニメーションにする際、分解してチープに作ることもできれば、いろいろ加えて複雑にすることもできます。けれど、この作品は原作のニュアンスをいかに壊さないようにするか、各所気をかけていて。

榎本 :

そうですね。演出面でも、原作を何度も読みつつ試行錯誤することが多かったです。

――キャラクターデザインを起こす上でこだわった部分はありますか?

西畑 :

佐野先生の描く線はとても繊細で、耽美なので、
それをアニメキャラに落とし込めるだろうか?ということに悩みながらデザインしたことです。
特に意識したのが、印象的な目元の美しさでしたね。提出したデザインに、佐野先生から直接フィードバックいただいたりもしたんですよ。たとえば、サーディンは女の子だからもう少しまつ毛をふさふさにしてほしいとか。

山村 :

佐野先生、デザインを見てすごく喜んでくださっていましたよね。大きなリテイクもなくて。絵のある原作をアニメ化する場合、アニメ上で動かすためにどうしても原作を再現できない部分もあるんです。そこへの折り合いをつけるために時間がかかり、作業が止まってしまうことも多いけれど、この作品ではそれがほぼなかったんです。

加藤 :

西畑さんの絵が、見たかったアニメの『ミギとダリ』そのものでものすごくわくわくしたんですよ。素敵な形に落とし込んでいただいて、僕はもうめちゃくちゃ感動しました。

西畑 :

ありがとうございます(笑)。視聴者の皆さんにも、「こうじゃない」と思う人もいると思うので、そういった意見を言われるんじゃないかと不安でしたが、そういう声がなくてほっとしましたし、受け入れていただけて嬉しかったです。

――作業する上で悩んだ部分はありましたか?

西畑 :

ほかのアニメーターさんが描けるようにするにはどうしたらいいか、ですね。アニメ制作は多くのアニメーターさんとの共同作業です。描きやすいように、動かしやすいように線を減らしたり、ずいぶん悩みました。

山村 :

西畑さんの絵はとても繊細で、ほんの少し線がズレるだけで別物になってしまうんです。だから常に西畑さんのクオリティをキープするのは難しくって。今回総作画監督も務めてもらいましたが、当初の予定よりも多くの話数を担当することになったのも、それが理由の一つなんです。

西畑 :

「ここは佐野先生の世界観を絶対に崩したくない!」と思うシーンが多くて、自分の担当するシーンは原作の大切なところを山村Pと相談しつつ重要なCUTを抜き出してもらって修正を重ねていくうちに気づけばかなりのボリュームになっていました(笑)。

――榎本さんは副監督として主にどんなお仕事を?

榎本 :

基本的に現場の演出面を見ていましたね。

山村 :

まんきゅう監督の考えを受けて、実際にアニメにするための設計図を書き、各話の演出さんに落とし込んでいくようなことも多かったですよね。

榎本 :

確かに。まんきゅう監督のアイディアは特殊なものも多かったですからね。

山村 :

まんきゅう監督がアニメ畑出身じゃないからというのもありますが、僕らが思いつかないような指示もありましたよね。今回特に特殊だったのが、アイダートと呼ばれる瞳の揺れ方。通常のアニメ制作では同トレスブレという記号化された手法を使うのですが、まんきゅう監督は別の素材を作って、撮影で動かしたいとおっしゃって。

榎本 :

やったことがなかったので、最初はとまどいましたね。

山村 :

全話通してこの揺れを使っているのですが、結果として、素晴らしいアニメのエッセンスになっていたように感じました。

加藤 :

まさに、まんきゅう監督の発明でしたよね。

西畑 :

感情が揺れ動くシーンではより効果的でした。

山村 :

そういった普段やらないものをアニメ上で実現できるように榎本さんがいろいろと考えてくださったんですよ。

西畑 :

あと、榎本さんの演出は面白いのが多かったです。第6話に、乳飲み子教育されているミギが転んで頭に大きなたんこぶができるシーンがあるんです。最初はタッチ線を入れて赤くしていたんですけど、榎本さんが「光らせよう」とおっしゃって。

加藤 :

光っていましたね(笑)。

西畑 :

そういうめちゃくちゃ面白い演出を細かく入れてくれるんですよ。

加藤 :

最終話で秋山の飼い犬にこだわっていたのも印象に残っています。かなり細かい部分まで見てくださっていましたよね?ラストの電車のシーンとかも。

榎本 :

ラストのダリが乗っている電車ですかね。原作を読んでいると、ところどころ何かを参考にしてそうだと感じる部分があったんです。電車についてもいろいろ調べて、これじゃないかというのを見つけ、それを元に設定を起こしました。

山村 :

ちなみに、学年1位になった園山秘鳥が学友に囲まれているシーンで、後ろに坂本くん(佐野先生の作品『坂本ですが?』の主人公)を登場させたのも、榎本さんなんですよね。

榎本 :

“坂本くんに似た人”ですけどね。

――そうなんですか?

山村 :

一瞬なんですけど、いるんですよ。僕も途中までまったく知らなくて、発見した時には驚きました。なんかこそこそやっているなぁと思ったら(笑)。

西畑 :

しかもあれ、榎本さんが原画から動画まで全部お一人でやっているんですよ。

榎本 :

昔はよく作品の垣根を超えた演出をやっていたんです。最近は厳しくなってきているけれど、最終話ですし、少し遊ばせていただきました。

――愛のあるいたずらですね。

加藤 :

最後にびっくりさせられました(笑)。榎本さんは普段は多くを語らない寡黙な方なのですが、原作の面白さを静かに再現してくれる、絶対に欠かせない存在でした。

西畑 :

現場の精神的な支えでもありました。榎本さんがいなかったらと思うと……想像するだけで辛い。

山村 :

演出の枠だけにとどまらずに、いつも制作陣に寄り添ってくれていましたからね。

――そのほか、制作中に印象的だった出来事はありますか?

西畑 :

一条家が全焼するシーンで、炎を青にしたのは山村Pのアイデアですよね?

山村 :

そうです。真っ赤な炎だと、辛いことを思い出してしまいかねないという話になって、ならば炎をすべて青にするのはどうかと提案したんです。それならファンタジーとして観られるのではないかと。

加藤 :

まんきゅう監督もすぐに気に入って、即決でしたよね。まんきゅう監督って、誰の意見でも一度自分の中に落とし込んでくれるんです。監督という立場にいる方って、自分の作品であるという責任もあるからか、人の意見を一切受け付けない方もいると思うのですが。でも、まんきゅう監督は本来あまり口を出さない立ち位置の僕にも「がちゃがちゃ言って」と言ってくれて。

山村 :

そしてそれを採用してくれることも多いんですよね。

加藤 :

嬉しかったですね。最終話をオンエアで観て、改めて青の炎は大正解だったと思います。

山村 :

実際にフィルムになるまで心配ではあったのですが、うまくいってよかったです。

――なお、原作のラストまでを描くという構成は、最初から決まっていたのですか?

加藤 :

佐野先生の中で結末がある程度固まっていると聞いていたので、アニメも原作通りのラストを描きたいと思っていました。ただ、結末までどのようにドラマが動いていくのかも、展開の速さも、僕らにはわからない。なので、まんきゅう監督と山村さんと僕の3人で話し合い、原作6巻までの物語をきゅっと10話にまとめて、2〜3話くらい残りのストーリー用の余白を持たせることにしたんです。

山村 :

新しい原稿が上がるたびに編集部さんから本読みの現場に届けてくれて、それを皆で読みながらラストの展開を構成しましたよね。その場にいないメインスタッフにはPDFで送って、確認してもらって。

西畑 :

PDFが届くたびに、制作現場で湧いていました。「こうくるんだ〜!」って。

山村 :

ああいうふうに作品を追いかけながら構成していくことってなかなかないですよね。

加藤 :

ないですね。

山村 :

そこに楽しさもありましたよね。ただ、瑛二と双子が血のつながった兄弟というのは、事前に教えてもらっていたんですよ。

――それは理由があって?

加藤 :

6巻までの物語を10話にまとめるとなると、どうしてもカットせざるを得ないシーンが生まれてしまうんです。でも先の展開の伏線を落としては大変だということで、まんきゅう監督と一緒に佐野先生に聞きに行きました。そこで教えられたのが、「実は三つ子」「一条家全焼」「みっちゃんが概念のような形で蘇る」。もう、めちゃくちゃ驚いて。

西畑 :

驚きの情報すぎますよね。

加藤 :

さっそく次の本読みでメインスタッフに伝えて。ただ、皆の3年後の姿が出てくるのは想定外で、ゲラを見た途端に西畑さんの顔が浮かびました(笑)。今から大人になった彼らのキャラクターデザインを新たに起こさなきゃいけなくなったけれど、大丈夫かなぁって……。すぐ山村さんに相談しました。

山村 :

最終話のゲラをもらった時に、ああこれは3年後のデザインを固めないとだめだと思い実は加藤さんからご相談が来る前に西畑さんとは握ってました。
1話数(最終話)しかでてこないキャラだけど、しっかりためるしかないですね。と(笑)

榎本 :

ミギとダリと瑛二だけじゃなく、秋山や丸太、華怜まで成長した姿になっていましたからね(笑)。驚きましたが、やっぱりこの作品は面白いなぁと思いましたね。

山村 :

大変な作業があっても、なんだか皆わくわくしていましたよね。ゲラを読みながら、このシーンは使おうとか頭を悩ませるのも、今思えば楽しかったですし。

加藤 :

ですね(笑)。ただ、原作を削るという作業は心苦しくもありましたよね。どのシーンも面白いし、誰かにとってはすごく好きな場面だったかもしれない。けれど、尺を考えて泣く泣く削って。その代わりに、短尺のアニメオリジナルシーンを入れることにしたんです。もちろんそこは佐野先生の監修をいただきつつ。

――そうしてオリジナル要素を入れつつ、TVアニメ『ミギとダリ』は全13話構成となりました。皆さんが特に印象に残っているエピソードはありますか?

榎本 :

第1話ですね。ミギとダリの入れ替わりや体重相殺のシーンはこれで合っているのかは実際に映像になるまでわからない部分でもありましたし、なんとか形にできてよかったなと。エピソードとして好きなのは、第9話の殴り合いのシーン。僕のほうでも少し演出を加えたし、西畑さんにも手を加えていただけて、見応えのあるシーンになったと思います。

西畑 :

初めて双子が本気でぶつかり合う大事なシーンでしたよね。榎本さんの指示のおかげで、すごく作業がしやすかったです。

加藤 :

あのぶつかり合いは、展開を知っていても泣けるシーンですよね。

西畑 :

その喧嘩の後、オリゴン村に戻った二人が秋山や丸太とビーバーズを組む第10話の展開も好きです。ミギとダリの個性がだんだん出てきたり、仲間と協力し合うようになったりするのを、「ああ、やっと動き出したな。よかったな」と母親のような目で観ていました。第1話でもあった、体重相殺での助け合いをここでも見ることができるのもいいなと思いますし。

加藤 :

僕は第12話、瑛二がベットの上で怜子と横たわるシーンですね。完璧であろうとし続けた瑛二の、でもやっぱりお母さんに甘えたいという思いが垣間見えたように感じて。特に「誰がなんと言おうと、完璧なお母さんでした」という瑛二のセリフが。

西畑 :

あれはすごいセリフでした……。

加藤 :

瑛二くらいの年齢の子が抱えるには大きすぎるカルマと、お母さんの愛情を求める年相応の感情に、やるせなさも愛おしさも感じました。あのシーンは、映像や音楽、そして瑛二役の河西健吾さんのお芝居も相まって、僕がこれまで見てきた多くの作品の中でも「すごい」と言える名場面になったと思います。

山村 :

心に残るシーンでしたよね。僕も9話と12話なのだけど言われてしまったので……最終話の出所してきた瑛二がミギとダリと共にメトリーが眠る崖の上に行くシーンを。「やっぱり俺の母さんはここにはいない」という瑛二のセリフは、観る人によって捉え方が違うと思うんです。僕も、どういう意図で瑛二が言ったのか、総括ができていないんです。

加藤 :

答えは誰も知らないんですよね。アフレコ現場で佐野先生に聞いたけれど、「答えは皆さんの考え方次第です」とおっしゃっていましたから。

山村 :

僕たちそれぞれに委ねられているからこそ、考えさせられますよね。

――物語は、ミギとダリの運命に瑛二の運命が絡み合う展開となりました。この結末を、皆さんはどのように感じましたか?

西畑 :

双子と瑛二は離れて生きてきたけれど、最後は一緒になるという展開に、兄弟の縁のようなものを感じてものすごく胸が熱くなりました。

山村 :

通ってきた道は幸せに満ちていたとは決して言えないけれど、健やかに育つことができて、大人になって羽ばたくことができてよかったと思いますね。

榎本 :

母親を殺され、二人きりで生き抜いてきたミギとダリの境遇は確かに可哀想だなと思うし、だからといって瑛二は幸せかというとそうは言いきれなくて、なんだか全員不幸なようにも見えていたんです。けれど、最終的には、それぞれの道を見つけることができたんですもんね。

西畑 :

そう思うと、よかったなと思いますよね。あと、夫婦についても考えさせられました。園山夫妻も怜子さんも、子供に恵まれなかった。園山夫妻は養子を取るという選択をして、温かな家庭を築くことができたけれど、その一方で、怜子さんは誰もが憧れるような環境にいても、歪んだ発想からメトリーの子を奪うという不幸な選択をしてしまった。その対比を見て、人の幸せは、裕福だとか目に見えるものだけでは測れないんだなと思いましたね。

榎本 :

ものすごく捻くれた考え方をしてしまうと、もしミギとダリが現れなかったら、瑛二は怜子と一緒にいられたんじゃないかな……なんてちょっと思ったりもしますが。でも、そうなるとミギとダリはどうなっていたのかな、とも考えてしまうし。

加藤 :

もし違う選択をしていたらどうなっていたのか、それはそれで見てみたいですよね。きっとすごいドラマがありそうな気がしますし。そして、未来の彼らの物語も。最終回の放送時に公式X(旧Twitter)でファンアート企画を開催した際、彼らのifを4コマ漫画で描いてくださっている方もいて、それぞれがすごく面白かったんです。一度、佐野先生に「彼らはこのあとどうなるんですか?」と聞いたことがあったんです。佐野先生は、「皆さんが作るんですよ」とおっしゃっていました。まさにその通りで、『ミギとダリ』は完結したけれど、視聴者の皆さんそれぞれに彼らの物語があるんだなと感じました。

――放送中、視聴者の皆さんの反応をどのように受け取っていましたか?

山村 :

第1話が放送された頃、僕らはすでに終盤の話数を制作していたんです。シュールなギャグ作品として反響がある中、これからシリアスになっていくぞと、ほくそ笑んでいたのが、正直なところで(笑)。

西畑 :

ちょっとニヤニヤしちゃいましたよね(笑)。

榎本 :

ギャグとして楽しんでいる人にとって、後半の展開は受け入れられるのか、大丈夫なのかと思っていたのですが、むしろ後半になるにつれてより盛り上がったのが少し意外でしたね。こういうのを求めているのかという発見もあったし、原作の力を改めて感じました。

西畑 :

皆さんが話題にしてくれて、SNSなどの口コミで広がっていく様子をリアルで目にして、本当に嬉しかったです。感想もどんどん増えて。

加藤 :

観ている方からもみっちゃんは人気でしたね。再登場時は特に盛り上がっていました。

榎本 :

まさか最後にああいう出方をしてくるとは。

西畑 :

煙を掃除機で吸い上げるだなんて、さすが佐野先生ですよね。

榎本 :

あのシーンをどう見せようか悩みましたよね。

山村 :

作りながら模索して、思いっきりファンタジーに振り切ったんですよね。パーティクルを振りかけたりして、まるで魔法の世界のようにして。

加藤 :

振り切ると決めてからは、言い方はあれですが、みんな好き勝手やっていましたよね(笑)。でも、そのファンタジー感がその後のみっちゃんの動きをより活かしてくれたように感じています。

――最終話のラストは、みっちゃんが地面に佐野先生へのメッセージを書くという演出でしたね。

加藤 :

佐野先生への感謝の気持ちを残すべく、みんなで話し合った結果、あの演出となりました。佐野先生へのメッセージはフランス語です。「Fin」や、瑛二がサリーちゃんとの会話で使った「ベーゼ」というワードは、もともとフランス語由来なんだそうです。それを知って、佐野先生ならばストレートな日本語よりも喜んでくれそうだと思い、フランス語で偲ぶ言葉を贈ることにしました。

榎本 :

このシーンについて、かなり長いこと話し合っていましたよね。

加藤 :

1ヶ月くらい話し合いましたよね。文字の大きさとか位置とか、「そもそもフランス語で読めないのでは?」とか。

山村 :

あの時ばかりは、皆の思いが強すぎるゆえに喧喧諤諤としていましたね。

西畑 :

オンエアの後、翻訳してくださっている視聴者の方も多くいましたよね。

加藤 :

きっと調べる人がいるだろうと信じていたので、嬉しかったですね。

――最終回を迎えて、今の気持ちはいかがですか?

西畑 :

ものすごく寂しいですよね。もう3年以上、毎日『ミギとダリ』のことを考えて過ごしてきましたから。

加藤 :

でも、長いようで、あっという間でした。自分と同じように「面白い」と思ってくれる人が集まって作れば絶対に成功するという根拠のない自信から始まったけれど、いつしか制作に携わる皆が自分の仕事の範疇を超えて作品に向きあってくれていて、ものすごく愛を注いでくれて。本当にありがたかったです。

西畑 :

『ミギとダリ』が大好きだったからこそ、ここまでこられたんですよね。

山村 :

ここにいるメンバーだけじゃなく、関わる皆が作品を好きでしたからね。

榎本 :

そうさせたのも、やっぱり原作と佐野先生のすごさですよね。

加藤 :

振り返ると、最初からずっと佐野先生の魔法にかけられていたかのような、幸せな現場でした。

西畑 :

佐野先生に、最終話まで観ていただきたかったですね。

加藤 :

そうですね。アフレコは最後まで立ち会っていただいて、第8話までは白箱をお届けできていたんですけど。でも、どこかで観てくれてそうな気もしているんですよ。

西畑 :

そうですね! 最終話がクリスマスに放送されたのも、奇跡のようでしたから。

加藤 :

いつかまた、皆さんのお時間が空いたら後日談とかも作れたらいいなって思っているんです。

山村 :

それはぜひ、実現すると嬉しいですね。

――では最後に、視聴者の皆さんにメッセージを。

加藤 :

今は観てくださった方、そして一緒に作ってくださった皆さんに感謝しかありません。佐野先生も、担当編集の塩出さんも、まんきゅう監督もおっしゃっていましたが、この作品が誰かの心に残るものになっていればいいなと思っています。

山村 :

原作に初めて触れてから、どうすれば皆さんの心に届く作品にできるのかをずっと考えてきました。皆が手を取り合いつつ、今の僕たちでやれるだけのことはすべてやって走り終えることができたので、あとは皆さんにちゃんと届いていることを願うばかりです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

西畑 :

まずは観てくださって本当にありがとうございました。もともと原作が好きだった方には、受け入れてくださったことにも感謝をお伝えしたいです。いち視聴者として最終話をリアルタイムで観て、大泣きしました。この素晴らしい唯一無二の作品に携わることができて光栄です。きっとこの作品は、ずっとずっと愛されていくものだと思います。この先も、多くの人に何度でも観ていただけたら嬉しいです。

榎本 :

すでに3人に言われてしまった感じではありますが……(苦笑)。正直メジャーではない位置にあった作品だったと思います。なので、この作品を見つけてくださったことに感謝を。そして最後まで観てくださったことに感謝しています。本当にありがとうございました。

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